トミカのイベントマーケティングの感想

GWにタカラトミー社によるイベントの視察にサンシャイン60に訪れる。

イベント詳細はコチラ

大行列に並ぶこと駐車場含めて2時間。やっとの思いで当日券(当日券 大人(中学生以上)800円/子供(3歳〜小学生)600円)入ったと思いきや会場は超大混雑。

イベントなので一体どんなと思いきや、入ってみるとシンプルにおもちゃが並べられているだけ。1週間限定のイベントということもあるのか、会場の内装もかなり簡素。でもおもちゃに集う子供たちはかなり満足げである。

オモチャの陳列ゾーンが終わると、次に体験会場。体験はチケット1,000円(100×10回分)を購入して、10個ほどのイベント体験が出来る。体験といってもよくあるトーマス機関車に乗ったり、オモチャ釣り(=実際はただおもちゃを吊り上げるだけ)等、文化祭の延長レベルの企画にそれぞれ100名以上の長蛇列。

きっと最後にはおもちゃ販売ゾーンがあるんだろうと想像しつつ、最終ゾーンに行くと、案の定、子供が両親におねだりするシーンがあちこちに繰り広げられる。

マーケティングの観点で、イベントスタッフの人にさり気なく来場数を聞いたところ、1日10,000人は集まるらしい。

職業柄、売上収益を計算してしまう。
10,000人の構造は両親と子供1人のパターンが多いことを考えると、3000世帯が来場している。

当日券売上・・・両親6,000人×800円+子供4,000人×600円=7,200,000円
チケット・おもちゃは7割の世帯が購入と試算した時
チケット売上・・・3,000世帯×0.7×1,000円=2,100,000円
オモチャ売上・・・3,000世帯×0.7×3,000円=6,300,000円

7日売上・・・15,600,000円×7=軽く一億以上

原価はというと1500万〜2400万

会場費・・・300万〜500万(7日間でサンシャイン1フロア)
人件費・・・10,00万〜1,500万(100人体制で7日間営業で試算)
内装費・・・200万〜400万(かなりチープな内装の為)

ざっくりであるが、視察とヒアリングで試算したけっか、粗利で1億近くをたった1週間でたたきあげる計算である。

利益をしっかり出しているという意味では日本経済にも十分貢献していると言ってよいが、問題は内容。
あの混雑っぷりだと怪我人や体調不良者が出てもおかしくない。内装は地方客もかなり集まるイベントというのにかなりお粗末。しかもトイレを見てみると、子供向けマーケティングにも関わらず子供用トイレが無い。(男子トイレではパパがだっこしながら小便をさせてたことはかなり痛々しかった。)

こういったファシリティーの不十分さを無視して、来場者を入れ込んでいたことを考えると、子供の為なら財布も緩む親御層の虚を突いたマーケティングにしか見えない。極端には下心をくすぶる出会い系マーケットと同様にすら感じてしまう。同様のイベント企画だと長続きしないんだろうなと思われる。

タカラトミー社は通常のブランディングはDVD化したり、商品のラインアップも群を抜く、一流企業と思っていただけに残念。

子供向けマーケティングをするなら、ディズニーのように大人も楽しめる要素を取り込むべきである。

でも会場を後にする家族ずれを見ていると子供はとても満足。こういった結果を得てるから儲かるしそうそう辞められないイベントなんだろうなと思った。

一流企業の懐の甘さにビジネスチャンスを狙った新規参入を応援したいところ。

個人的には不況知らずの消費行動が垣間見れたところは良かった。日本もまだまだ捨てたもんじゃない。

『熱血法人 バズー』
熱血社長 森下洋次郎