経営分析

会社の経営分析の見方は多種多様にある。

何故、これだけあるのか?

星の数程ある会社での業務は千差万別であり、そこを客観的にみる為の指標も会社が増えれば増えるほど比例して増えていくという仕組みである。

経営者が大切なのは自社に取ってどの指標に重きを置くかを考えなくてはいけない。私もコンサルティングファーム勤務時代やMBAスクール受講時代に実に様々な財務指標を叩きこまれていたが、あの頃に学んだことが、経営して初めて実のあるものになってきていることをつくづく痛感している。

当社は2年前から効率経営重視で進めてきたが、当社にとって大切なのは以下であると考えている。

【収益性指標】
売上高利益率
社員一人当たりの売上高
社員一人当たりの粗利高
投資資本利益率

【安全性指標】
自己資本比率
総資本増加率
負債比率
流動比率

【成長性指標】
経常利益伸び率

【配当や株価に関する分析指標】
一株あたりの純資産額

経営者は自社にとっての指標で何が重要かを100%把握し、その数値を常に追いかけ続ける必要がある。強いては各社員に対して分かり易い指標に落とし込みそれを目指した目標管理を徹底する必要がある。社員が取り組む日々の業務が経営を改善していることに繋がっていることを理解してもらうことが重要。そこのブレークダウンがきっちり行われている会社組織は私が見る限り、大筋上手く言っているケースが多いと思う。

私も自社ファイナンスを進める過程でいろんな提案を受けることが多いが、VC、銀行、事業会社等以外と当社にとって大切な指標を鑑みず提案を受けることが多い。逆にパッと見で当社の重要指標を理解する営業の方とお会いすると私も敏感に反応してしまう。だから当社がクライアントにコンサルティングサービスを手掛ける際には担当者のレベルに応じて、意味ある指標を確認しながら、事業シュミレーションを作成するようにしている。

モバイルビジネスを始めるお客様の担当者レベルでは【収益性指標】を重視する傾向が多い為、PLベースでのシュミレーションを出すようにしているが、経営者の方とお会いする時には極力先方のBSも意識して、如何に我々の提案がBS改善に繋がっているかをご説明させて頂くように意識した提案をするようにしている。

モバイル展開はクライアントにとって新規事業で始められるケースが多いが、結局のところクライアントのBS、PLをトータルに改善していく物でなくてはならない。そこを踏まえて初めて、当社のモバイルに関する知見と経験を活かしたソリューション力が活きてくる。ソリューションありきではなく、常にクライアントニーズありきで、しっかり分析した上で進めていくことが我々ソリューションプロバイダーが営業を進める上でのポイントだ。(以前からお伝えしている積み上げ式の見積もりには付加価値が低いというのはこの理由である部分が大きい。)

クライアントビジネスの概要が分かれば分かるほど改善部分が明確になり、我々サービス提供者としてもここが実現することが仕事の醍醐味である。

最近は当社社員もこの背景に対する理解が明るくなってきてて嬉しい。その分一つの仕事を仕上げることに手間も掛り、忙しくなるパターンが多いが、クライアントをしっかり見て、真のニーズに応えることが我々の継続的な成長を支える源であることを社員には常に意識してほしいと思う。



代表取締役 森下洋次郎